ネットを中心に活動しているアーティストやアイドルを応援するためにファンができることはなんだろう?

毎度のコラムで申し上げているが、誰でも簡単に作品を発表できる環境が整っている今、アーティストやアイドルなどが飽和状態で存在している。この状態では自分が応援しているアーティストやアイドルが所謂「売れる」ことはとても難しいはず。

アーティストやアイドルなどの演者自身や、それを支える運営が売り込みを行うということは、もしかすると既に時代遅れなのではないだろうか?TwitterやYouTubeで話題になり、テレビなどの影響力のあるメディアが盛んに取り上げることで「売れる」状況を創り出しているパターンが増えたように感じる。ファンが応援しているアーティストやアイドル周辺のインターネットをざわつかせることで「売れる」状況に近づけさせることができそうだ。そこで今回は、アーティストやアイドルなどの演者のためにファンができそうな応援方法を考えてみたい。

「売れる」の定義

まずは何を持って「売れる」といえるのか、しっかりと定義しておこう。本コラムでは、下記の条件を満たすことを「売れる」ということにする。

特定の層の認知度が高い。
10代の認知度は高いが、30代の認知度が低い場合でも「売れた」と言える。

「芸能」に興味がない人にもある程度知られている。
稀に街などで話題が聞こえてくるなどのレベル。

様々なシーンで目にする機会が多い。
雑誌やWebメディアなど、媒体は問わない。

これらの時期が1~2年以上継続している。
1週間~1ヶ月程度などのバブルな「売れ方」は、今回の「売れる」には該当しない。

ここで言っておきたいことは「テレビに出ている=売れている」ではないということ。例えば、認知度が明らかに高い「ONE OK ROCK」の場合、ONE OK ROCKはテレビにあまり出ていない。それでも認知度は高いし、「売れている」という認識を持っている人は多いはずだ。CDが売れたり、ライブに多くの集客ができることが彼らにとっての「ゴール」なのだから。

テレビで芸人さんが「売れる。売れる」と頻繁に口にしていることも影響しているのだろうか、「テレビに出ている=売れている」という感覚が身に付いてしまったのかもしれない。芸人さんとアーティストではそれぞれステージも違うし、ゴールも違う。ジャンルを見ることなく、ここを全く同じものと考えることは絶対にしてならない。

ネット上のざわつきがきっかけで「売れた」実例を見る

橋本環奈」の事例で見ていこう。当初から彼女のファンが全国にいた訳ではない。”博多のタケさん”という人物によって撮影・公開された写真が「2ちゃんねる」や「まとめサイト」を通して多くの人に見られるようになった。そして、それを見た人たちは「未知の可愛さ」に遭遇し、インターネットが騒然となった。この騒ぎを嗅ぎつけたテレビがプッシュした結果、世間に一定の認知を獲得し現在の活動に至っている。演者自身の売り込み以外がきっかけで「売れた」分かりやすい事例だ。

「売れる」までは行かなかったが、インターネットがざわついた実例

インターネットのざわつきが実際に「売れる」に繋がった実例を見てきたが、インターネットのざわつきとは他にどのようなものがあるのだろうか。爆発的な話題があったが、日本ではそれほど話題に上がらなかったという例を筆者がリアルタイムでウォッチしていた事例があるので、それをご紹介する。

衝撃的なデビューを飾った「LADYBABY」の事例

LADYBABYは、クリアストーンというコスプレ会社のPRユニットとして結成されたアイドルグループ。ミスiDをきっかけに意気投合した「金子理江」と「黒宮れい」に加え、オーストラリアの女装パフォーマー「レディビアード」の3人で構成されていたアイドルグループ。YouTubeにMVが公開されると、わずか1週間程度で100万再生を突破。その後も加速度を上げ続け、現在の「2150万回再生」に落ち着いている。(現在でもひと月50万回もの再生がされている。)

驚くべきことに、特別なプレス情報も無しにこの前代未聞の偉業を達成したのだ。(自身のチャンネルでティザー映像があったが認知度は無かった)

二宮ユーキ氏のファンであった筆者は、このツイートをきっかけにLADYBABYを知った。公開初日は数千ほどの再生数だったが、わずか数日で”異常な”再生数を記録した。観察していると、どうやらこれは日本のインターネットのざわつきではない様子だった。先に反応していたのは海外だったのだ。世界が先に反応した理由、それは世界的経済誌Forbesが取り上げたことによるものだった。

日本の大手メディアがどんな動きをするか興味があり毎日ニュースを検索していたが、残念ながら全く動きがなかった。結果、数ヶ月に数件程度だったと記憶している。結局日本でざわつかれることはほとんどなく、3人で出演した大きなテレビ番組は「ダウンタウンDX」だけで”確変”は終わってしまった。日本の大手メディアが情報筋の無いものには嗅ぎつける能力がなかったのか、それとも取り上げるほどのレベルでは無かったのかは分からないが、日本の大手メディアにはとことん失望した。

この事例から分かる通り、世界先行型の逆輸入な話題は日本では通用しにくいのかもしれない。だたし、ピコ太郎は例外。日本でも名の知れたジャスティン・ビーバーが話題にしなければ同じ扱いになっていたはずだ。(その証拠に、動画の統計情報によると、話題に上がるまでの2ヶ月間の再生数は酷いものだった。)
力のあるモノに知られ、力のあるモノに拡めてもらうことは今も昔も変わらないようだ。

テレビに出る=売れるではないが、結局テレビは重要なツール

「橋本環奈」と「LADYBABY」どちらもインターネット上を十分なほど騒然とさせてきた。しかし、どうしてここまで差が出てしまったのだろうか。この違いは確実に「テレビ」の存在だろう。

芸能にそれほど興味がない人でも、「よく聞く名前だから覚えておこう」という考えの人は多いはずだ。この層に有効に働くのが「テレビによるプッシュ」だと思う。これが「橋本環奈」にはあって、「LADYBABY」には無かったものだ。つまり、ファンは応援している芸能人をテレビ出演に導くために「話題を作る」ことが最大の役目とも言える。

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